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2003年4月〜8月

(上が新しいもの、下が古いものです)

デルフィニア戦記 5〜18  『中国古典がよくわかる本』
『13ヶ月と13週と13日と満月の夜』 『遺伝子組み換えとクローン技術100の疑問』
『家計見直し計画』 『40才からの老いの探検学』
『言霊の国の掟』  『アタマにくる一言へのとっさの対応術』
『図解 生命保険料は半額になる!』 『おとぎ話を科学する』
『悪女入門‐ファム・ファタル恋愛論』 『幽霊‐冥土・いん・じゃぱん』
『人は死ぬ時なぜ体重が減るのか』 『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』
『グサリとくる一言をはね返す心の護身術』 『ゲーム脳の恐怖』
『私の仕事』 『世界がもし100人の村だったら』
『緒方貞子という生き方』 『1時間でわかるアフガニスタン』
『破壊の女神‐中国史の女たち』 『ONE PIECE』 1〜24
『銀の海 金の大地』 2〜9 『ケビン=クローンの空爆式ディベート革命』
『今昔続百鬼‐雲』 『少年に奪われた人生』
『いきなり誰かが襲ってきたら?』  『J.K.ローリングその魔法と真実』
『ことわざ悪魔の辞典』 『当世悪魔の辞典』
『両性具有の美』 『聞け、“てるくはのる”よ』
『淳』 『いじわるな遺伝子』
『フクロウの民俗誌』 『アメリカの落日』
『傭兵の誇り』 『空想科学映画読本』
『お笑い日本の防衛戦略』 十二国記シリーズ 『月の影』〜『花胥』

読了日

タイトル 著者名 その本について一言

2003.08.30

 『異郷の煌姫』〜『遙かなる星の流れに』 デルフィニア戦記5〜18巻 茅田砂胡

 ヒロコさんより。はじめ4巻は貸し出し中とのことだったので、あらすじだけ聞いて、5巻というか第二部からスタートしました。
 面白かったです。久し振りに寝食を忘れて読み耽ったって感じですね。何が良かったって、国王でしょ、国王。家臣に怒られて大きな体をちっちゃくしたりするのが可愛いし、何と言っても鈍いくらいの鷹揚さ!うん、イイねぇ。国王がパラストに捕まるところから、ポーラと結ばれるところまでが私の中で一番のヤマ場でした。リィの「誰がお前を鎖に?いだ!!」の場面にはうっかり涙出るくらい感動しました。「親愛なる友ポーラへ」もホロリときちゃったよ。あとシェラがだんだん自分の意志を持っていく面白かったです。キャラ的には元海賊で山賊で独立騎士団長なんて肩書きを持つイヴンも捨て難く。
 ところでヒロコさんの「ポーラは花散里系だ」というコメントに笑ってしまった…。


2003.08.19

 『中国古典がよくわかる本』 守屋洋

 再読…のはずなんだけど、学生時代に読んだときより手こずったような気がするのは、頭が固くなっているせいか。中国古典の有名どころのダイジェスト版です。「孫子」、「菜根譚」、「三国志」の章は、なじみがあるので読みやすく、面白かったのですが、「論語」、「韓非子」、「貞観政要」、「十八史略」の章は、まぁこんな感じ?「陽明学」の章は頭痛がしてきました。

2003.08.17

 『13ヶ月と13週と13日と満月の夜』 アレックス=シアラー

 本屋で装丁に惹かれて手に取った一冊。女の子が魔女に騙されて自分の体を奪われ、自分は魔女の体である老人になってしまいます。
 立ち読みで一気にいきました。特に感動、というわけではないけど、サクッと面白いかも。

2003.08.16

 『遺伝子組み換えとクローン技術100の疑問』 天笠啓祐

 一問一答式で説明がされています。面白かったところを3つほど紹介。まず機能性食品について。「機能性食品とは健康志向に合わせて、特定の栄養や繊維などを増やした食品」…何て便利なものができるんだ!と思ったら「機能性食品は開発思想が本末転倒した考え方」で「肉食に偏ったために脂肪酸バランスを崩したからといって、肉食を続けておいて他の食品でバランスを取ろうというのは食生活のありかたを間違えています」…ぎゃふん。
 次にDNA鑑定について。「DNA鑑定は、血液型鑑定と同じ型の判定であり、一人ひとりを見分ける個人識別ではありません」…型が違えば本人で「ない」ことは証明できるけれども、同じだからといって本人で「ある」と証明できるものではないそうです。なるほど。DNA鑑定と言うと何となく個人識別の決め手みたいな風に思っていたけど、そうじゃないんだね。
 最後に遺伝子病について。「特定の遺伝子病の場合、遺伝子診断で発病が予測できます。それによって発病する自分の未来がわかってしまうのです」…現在、アルツハイマー病の遺伝子診断が可能であるそうです。診断すれば将来アルツハイマー病になるかどうかがわかるそうです。う〜ん…家族のは知りたい気がするけど、自分のはあんまり知りたくないような…。自分が「アルツハイマー病にはなりません」という確証をくれるんなら聞きたいけど、「絶対にアルツハイマー病になります」と断言されるのは愉快ではないね。でもあらかじめわかっていれば、それに備えることができるから、やっぱりいいことなのかなぁ。


2003.08.11

 『家計見直し計画』 週刊朝日臨時増刊

 これも会社の回覧。保険商品のスリム化の仕方がまとめてあります。頭に入らないです…。リタイアニングプロジェクト(老後を、物価の安い海外で過ごすっていうやり方)についても出ていて、とりあえず、それがあんまり簡単なものではないということは分かりました。


2003.08.06

 『40才からの老いの探検学』 上野千鶴子

 前から読みたいと思っていた上野千鶴子を図書館で発見。「老いをめぐる上野千鶴子のエキサイティング・ディベート!」なんてあったら読まないわけにいかず。著者と、著者の選んだ様々な人との対談です。テーマは、老い、というか老後の過ごし方みたいな感じ。対談だから読みやすいだろうと思ったのですが、文献よりはとっつきやすいという程度で、密度の濃い言葉が飛び交っています。
 その中で「福祉社会‐北欧の老人像」の章が比較的わかりやすかったかな。介護を家族(大抵女性)がやるものだ、という通念は、家族の絆と混同されているので、これを破るには、個人主義の徹底が必要。福祉国家として挙げられるのはデンマークやスウェーデンで、この福祉を支えているのは、個人の貯蓄がゼロ、あるいはマイナスになるくらいの税金。
 私が老いる頃、日本は?税金高くて福祉はイマイチだったら最悪だね。

2003.08.02

 『言霊の国の掟‐日本社会のここがおかしい。』 井沢元彦

 著者による政治批評と、新聞の紙面批評で、それぞれ連載されていたのをまとめたものです。悪いことを言うとそれが本当になる、という言霊の概念を交えての評論になっています。
 読んでて嬉しかったのは、自衛隊や少年法に関しての、今までに読んだ本で得た知識が貧弱ながらに役立ったこと。こんな感じで知識が増えていけばいいなぁ…と思うそばから忘れていくんだけどさ…。

2003.07.30

 『アタマにくる一言へのとっさの対応術』 バルバラ=ベルクハン

 再読。紹介されている12の受け答えを、トレーニングの章に添って実際にシミュレーションしてみました。攻撃例「何そのしゃべり方。アンタ頭悪いんじゃないの」。応答1・身振りで空回りさせる…(黙ってメモを取る)/応答2・話をそらす…「ところで梅雨明けしたのに結構雨が降りますね」/応答3・ひとことで…「はい。それが何か?」/応答4・とんちんかんなことわざで…「火のないところに煙は立たぬと言いますから」/応答5・毒抜きの問い返し…「頭が悪いって、それ、どういうことですか?」/応答6・譲歩して賛成する…「ええ、おっしゃる通りです」/応答7・譲歩して、それでも意をつらぬく…「そう思われるのも分かりますが、それでもこの件については〜なのです」/応答8・ほめ殺し…「ええ、お宅様にはとてもかないません」/応答9・事実確認…「私の話し方について考えておられたんですね」/応答10・対決…「その言い方は侮辱ですか」/応答11・歯に衣着せずに…「それは個人攻撃ですか。そんな言い方をして楽しいですか」/応答12・ルールを明らかに…「話がそれていますが、つまり、どうされたいんでしょうか」
 実際行うのにはかなり勇気がいるだろうってのも混ざってますね…。とにかく鉄則は、敵の挑発に対して無駄なエネルギーを使わないということ。

2003.07.30

 『図解 生命保険料は半額になる!-家計の見直し得ガイド』 小野瑛子 藤川太

 会社で回覧になっていたので読みました。ですが読むというより字面を追っただけで、全然頭に入りませんでした。老後の保障プランでは避けて通れない公的年金のしくみが特に苦手で…。


2003.07.23

 『おとぎ話を科学する』 大槻義彦

 日本の昔話のストーリーを多少アレンジしながら、例えば雪女の息は氷点下196度Cで、「液体窒素温度」であると計算できる、というような解説を交えてあります。そんな中で苦笑したのは花咲爺さんの話。遭難した爺さんが子犬の哭き声に気付き、人間がそばにいるのではないかと推測します。「爺さんはなかはうれしくなりましたが、しかし、なかば恐くもなりました。/山深く、人里離れたところで、一番恐いのは野生の動物ではなく、実は人間なのです。/これは今も変わりません。誰一人いないと思っている山小屋で、夜中に人の気配がした時ほど恐いものはありません」…嫌な恐さだ…。


2003.07.21

 『悪女入門‐ファム・ファタル恋愛論』 鹿島茂

 ヒロコさんより。ファム・ファタルとはフランス語で「その出会いが運命の意志によって定められていると同時に、男にとって『破滅をまねく』ような魅力を放つ女のこと」だそうです。フランス恋愛文学を、ファム・ファタルの誘惑テクニックの観点から紹介してあります。
 ファム・ファタルにとって、男は愛情の飢えを満たすためのものだったり、復讐の対象だったり、神の代理(大事なのは神であってその男ではないという意味で)だったり。当然そのファム・ファタルたるためには、よりによってこの男との組み合わせっていうような条件も必要だそうです。


2003.07.19

 『幽霊‐冥土・いん・じゃぱん』 暉峻(てるおか)康隆

 気を取り直して、文化的アプローチのしてある本を探す。次に取った本の文中で見付けた著者の言葉。「少青年時代を浄土真宗の寺の長男として育った私は、幽霊は存在しないものと今でも思っている」そう!こういうのが読みたかったのよ!時代ごとの娯楽文化に登場する幽霊のかたちをまとめてあります。
 生霊、死霊、怨霊の類が活動し始めるのは平安の頃から。続く鎌倉では、描写は二の次の叙事文学であるため、幽霊には色気がなく容貌やスタイルには言及されていない。室町になって能に登場するようになると、武家の死出の晴着である甲冑を着用することになる。さらに町人文化の江戸時代前期になると、金や恋のために無念の死を遂げた市井の男女が主役になるようになり、そのため小説の挿絵や舞台でどちらが怨霊であるかを明示する必要に迫られて経帷子(きょうかたびら)の納棺スタイルとなったが足はまだついている。後期になって、足のない絵が有名になり、イメージとして定着した…らしいです。結局当たり前だけど、その当時で有り得る現れ方をしているんだよね。
 平安の例として、源氏物語の六条が登場していました。その部分の紹介がコレ。「それにしても夢は夢で現場に行った覚えはさらさらないのに、着物や髪の毛に葵の上の修法の護摩とともに焚いたとおぼしき芥子の香がしみついて、着物を着替えたり、毎日朝シャンをしても消えない。」 朝シャン!吹きそうになりましたよ…図書館だったので声を出して笑えず、一人で口押さえて肩プルプル震わせてました。
 ちなみに。幽霊について、西洋ではどうかと思い、百科事典を開いてみると。「彼らが現れる際には不気味な音楽、雷鳴、とびらのノックが聞こえたり、人の背中や身体に乗りかかってきたり、大きな音を立てたりする。」音楽!雷鳴!ゴージャスです…っていうか、そうなの?

2003.07.19

 『人は死ぬ時なぜ体重が減るのか‐70グラムの魂が棲む“死後の世界”を覗く』 矢追純一

 先日の会社の人との話の中で、このタイトルに関する話題が出たので、確認のためと思って手に取りました。アメリカのある博士の実験によると、人間の死の瞬間には平均して70グラムの体重が減るそう。これは魂の重さではないか、というところから話は始まります。私としては、何をもって死の瞬間とするのか、そこから突っ込みたいのですが、まぁそれは置いといて。
 魂は波長があるから見えたり見えなかったりするとか、魂はエネルギーであるから重さを量れるとか、物理系からのアプローチも意外とあったのですが、当然不気味な話も含まれているため、読んでいくうちに、だんだん気分が悪くなってきました。かと言ってそこで読むのを止めるのも、何やら負けたような気がして嫌だったので、何とか通読はしました。が、正直、止めときゃよかったと思った一冊。


2003.07.16

 『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』 遥洋子

 再読。ディベートテクニックに関するタイトルではあるけど、著者の大学生活のレポートのような感じです。これ読むと、学生の時もっと勉強しておけばよかったなぁと思ってしまう。もっとできる環境にあったのに、しなかったのが悔やまれる…。いや、でも勉強はいつでもできるから、今からでも始めればよいだけのことなんだけどね。
 「学問は訓練で」「『疑う』という訓練を積むことで、枠を超えた発想が可能になる」、そして「訓練よりももっと重要なことが」「直観力」で「もやもやとした、物事を見え難くさせている環境を通して」「その向こうにある本性のようなものを見抜く力」とのこと。私は、一番初めに知ったことを鵜呑みにしてる傾向があるので、気を付けなければ。

2003.07.08

 『グサリとくる一言をはね返す心の護身術』 バルバラ=ベルクハン

 再読。図太くなるための方法です。ポイントとしては「自己嫌悪の元となる『内なる批判者』を黙らせる」「非人情である状態を意識的に作り出す」「攻撃に対して、反射的に反応しようとあせってはいけない。無視するか、相手を待たせてだらだら反応すればよい」といったところか。マスターしたいね。


2003.07.02

 『ゲーム脳の恐怖』 森昭雄

 再読。テレビゲームは、虚構と現実の区別がつかなくなるから、よくないモノである…というのは、結構前から言われていること。私のようにゲームで正気を保ってるような人間には全くもって大きなお世話です。今までに見た、その手の文章には根拠が無いか、あっても非常に曖昧であるかのどちらかの場合が多かったので、相手にはしてきませんでした。が、この本は、その点、データは、きちんと示されています。
 ゲーム中毒の人の脳波と、そうでない人の脳波を比較した場合、痴呆症の人と、そうでない人との比較とよく似た結果が出るそうです。ゲームをすると、普段からよくやる人ほど痴呆症の人の脳波に近くなり、ゲームを止めても元に戻らないんだとか。ただ一口にゲームと言っても、考えながらプレイするんじゃなくて、条件反射レベルでプレイするのが危険。結局、正に頭を使わないものだから、創造性や思考を司る前頭前野の活動が極端に低下した状態になるとのこと。とりあえずテレビの前ではサルにならないよう気を付けるようにします。なお脳波を正常に戻すのに効果的なものとして、お手玉が紹介されていますので、危ないかもと思う人はお手玉を始めましょう。私?速攻で買ってきました。三つって難しいです。
 ちなみに本の冒頭で、筆者が幕張メッセのゲームショーへ行ったときの感想が書かれています。「テレビゲームの中に出てくるキャラクターそっくりの衣装に身を包み(中略)百人前後いることに気が付き、再度ショックを受けました。このとき、私はこの子たちの将来(中略)はどうなってしまうのだろうかと心配になってしまいました」…いいじゃん!きっと意外と真面目に働いてるって!

2003.07.01

 『私の仕事』 緒方貞子

 ネットでこの本の存在を知り、翌日、早速買ってきました。久し振りにじっくり腰を据えて読書したって感じです。内容は、国連難民高等弁務官だった頃の著者の日記や、それに関するスピーチなどをまとめたものです。非常に淡々と書いてあるのですが、一言一言に裏打ちされた行動があると思うと軽く読み流すことができませんでした。まぁ、どんな本でも大抵、取材や経験といった何らかの行動が伴ったものですけど、この本は特に、意識せずにはいられなかったということで。
 再建された学校で医者やエンジニアになりたいと話すアフガニスタンの少女らの話にうっかりホロリときました。タリバン政権下では女子が学校に行くことは禁止されていたのですが、それでも先生たちは彼女らを自宅に招き、タリバンには「生徒ではなく客だ」と言って、もちろん給料は無しで授業を行っていたそうです。そうまでして学ぼうとうする意志ですよ!
 それから著者が若者に宛てたメッセージも自分のために一部引用しておきます。「常に問題を求め、積極的に疑問を出していく心と頭が必要なのです。仕事の環境に文句を言う人はたくさんいますが、開かれた頭で何かを求めていく姿勢がなければなりません」…イタタタ。

2003.06.18

 『世界がもし100人の村だったら』 池田香代子 C.ダグラス=ラミス

 再読。世界の63億の人を100人に縮めると、どのくらいの割合の人がどうなのか。例えば「52人が女性で48人が男性」といった感じで、とても分かりやすく書いてあります。「すべてのエネルギーのうち/20人が80%を使い/80人が20%を分けあっています」…はい。「もしもあなたが/空爆や襲撃や地雷による殺戮や/武装集団のレイプや拉致に/おびえていなければ/そうでない20人より/恵まれています」…はい。すいません(謝ってどうする)。文章そのものは少なく、むしろ絵本のような感じなのですが、噛みしめて読みたい一冊です。


2003.06.16

 『緒方貞子という生き方』 黒田龍彦

 再読。国連難民高等弁務官だった緒方貞子さんについて。本屋でパラ見していたときに、「60歳を過ぎた時点から出発し」「徹底した現場主義を貫き」「15キロの防弾チョッキを着て、カンボジア、ミャンマー、イラン、サラエボ、ボスニア、ソマリア、ルワンダ、ユーゴスラビア、ティモール、中南米、アフガニスタンなどの紛争地帯を歩きまわった」という記述を読んで、これは買おうと思いました。
 この本を読むと平和維持のための海外派兵っていうのは有りだと思うんだよね。軍隊は、停戦合意のなされていない地域での安全確保や、輸送、キャンプ設営なんかのプロだから。でも職員の方が現地の人に逆恨みされて、文字通り八つ裂きにされたりするのは、所詮よそ者で、余計なことをしているという側面もあるからなんだろうけど…。これで命を落とされるというのも、やり切れない話です。

2003.06.11

 『1時間でわかるアフガニスタン』 桑田剛

 ええ〜と。他国による干渉で振り回された歴史について。他国は当然、親切ではなくて、ちょっとでも自国に有利になるように、都合のいいところに力を貸してくる。目的としては、例えば、共産主義もしくは民主主義を拡張したい、不凍港を押さえたい、石油のパイプラインの利権が欲しい、イランを封じ込めてくれ、など。それで内部が分裂していると、それぞれの勢力にあちこちから介入がくるので、まず国内を統一しないといけない。そして最終的に台頭したのがタリバンだった…ってこれでいいかな。

2003.06.06

 『破壊の女神‐中国史の女たち』 井波律子

 中国史上において、目立った女性たちをピックアップしてあります。読み物というよりは文献っぽい感じ。そのため、則天武后と西太后は多少予備知識があったので何とか読めたものの、その他の人物については残念ながら全然頭に入っていきませんでした。

2003.05.31

 『ONE PIECE』 1〜24巻 尾田栄一郎

 漫画だけど入れちゃえ!スモたし!スモたし!兄妹系もいいけど、オヤジと小娘系も好きなんです私。まだ読み切る前は感想として「最終的な目的の為に、一時の屈辱を耐え忍ぶ姿勢の描かれているのが好感持てて…」とか固いことを書こうかと思ってたのですが、急遽変更。スモーカー大佐と、たしぎがセットで良いです。よく見ればスモーカーのツボなこと。軍人。ごつい。若造というよりオヤジっぽい。そしてふてぶてしい態度。たしぎは女剣士ってトコで、すでにポイントが高いです。生真面目なところも可愛いし。アニメの、この二人の出てきたところ、もっとしっかり見ておけばよかったと今更後悔。
 あとニコ・ロビンとかヒナ嬢とか、お姉様達も素敵。特にヒナはパンツスーツがまた格好良いです。

2003.05.30

 『銀の海 金の大地』 2〜9巻 氷室冴子

 運命みたいなものに立ち向かう女の子、って感じの話が読みたかったので選びました。本当は全11巻なんですが、古本屋にあったのが残念ながらこれだけだったので、ある分だけ。
 「獣の血しぶきと生ぐさい臭いに眉をひそめ、かわいそうと呟いていいのは、五百依姫のような姫君たちだけだ。食うに困らず、ぬくぬくとした衾にくるまって眠る者たちだけが、小獣の頭を撫でてやればいい。かわいそうと涙ぐんでやるといい」ヒロイン真秀の、生きることに対する猛々しい部分がとても好きです。真秀の魂の強さは物語中の金の砂に例えられ、肯定的に描かれているのも読んでて気持ちの良いところ。全て投げ出して、死んだほうがマシと思えるような状況におかれてなお、それでも生きるために力を振り絞る姿勢が大変好ましい。というのも私の嗜好は「何が何でも生き残る」ことなので(これは竜堂家の家訓です…懐かしいなぁ)。
 それにしても真秀の心理に重点を置いて読み進めたので、折角の背景である政治的な部分は、かなりすっ飛ばしてしまいました。

2003.05.23

 『ケビン=クローンの空爆式ディベート革命』 ケビン=クローン

 再読。ディベートテクニックと、日本人の考え方の典型について。後者のが面白い。例えば権威主義の話で出てきた水戸黄門症候群。印籠を出されたらサムライは慌ててひざまずく。「その滑稽さにおじいちゃんもおばあちゃんも孫も曾孫も感動します。この感動は日本人にしか分かりません」そういや私も感動まではいかなくても、特にそれが変だと思ったこともないです。それにしても「ここがヘンだよ日本人」またやってくれないかな(再放送でもいいからさ…)。

2003.05.17

 『今昔続百鬼‐雲』 京極夏彦

 妖怪好きの二人が行く先々で、妖怪に絡む事件に巻き込まれていきます。京極堂よりもノリは明るく馬鹿っぽい感じ。聞こえてきた声は、「田を返せ」ではなく「田岡、伊勢」ではなく「田尾、返せ」ではなく。笑えました。

2003.05.08

 『少年に奪われた人生‐犯罪被害者遺族の闘い』 藤井誠二

 いくつかの事件を遺族の方からの視点で、取材した筆者がまとめたもの。ヘヴィです。そしてなぜ被害者はこう色んな面でやられ損なのか。山口の母子殺害事件の章は目を離せませんでした。

2003.05.05

 『いきなり誰かが襲ってきたら?』 黒木昭雄

 元警官の方が書かれた防犯マニュアル。ぼんやり道を歩くなってことですね。こ、怖い…。そして基本はとにかく「逃げる」。

2003.05.03

 『J.K.ローリングその魔法と真実』 ショーン=スミス

 ハリポタの作者について。「シングルマザーの彼女はカフェで、子供を寝かしながら、一杯のコーヒーで何時間も粘って書いていた」というエピソード。それが読みたくて。

2003.05.03

 『ことわざ悪魔の辞典』 別役実

 結局わざと間違った解釈を面白おかしく書いてあるわけなんだけど。もともとの意味が分からなくて辞書ひきながらじゃないと読めませんでした。

2003.04.25

 『当世悪魔の辞典』 別役実

 「吹出物:内部の圧力に耐え切れず、やむにやまれず限界を突破してしまったもの。たとえば、人間にとって言葉のようなもの。精神的なバランスのいい人間は、しゃべらないし書かない」このホムペはまさに私の精神の吹出物だよねぇ。

2003.04.25

 『両性具有の美』 白洲正子

 ヒロコさんより。固いなあ…いや、難いっていうべき?なぜ女に能は舞えないか、らしい。この前本屋で平積みになっててびっくりした。

2003.04.19

 『聞け、“てるくはのる”よ』 中村聖志 唯子

 こちらも子供の命を奪われた被害者の方。最後まで鼻かみながら読むことに。理不尽というには余りにも。

2003.04.19

 『淳』 土師守

 神戸の「酒鬼薔薇」の事件の被害者の方です。被害者の人権について、なぜもっと守られないのかと。後半涙出てきます。

2003.04.18

 『いじわるな遺伝子』 テリー=バーナム ジェイ=フェラン

 人間が馬鹿なのは、馬鹿なことをして、結果、生き残ってきたのが我々の先祖だかららしい。

2003.04.15

 『フクロウの民俗誌』 飯野徹雄

 「コヨーテは名前を与えた。『お前は鷲だ。すぐれた一番勇敢な鳥なのだ。お前はふくろうだ。特別な力を持った大まじない師なのだ。お前は鮭だ。すべての魚の中で、一番食べるによい魚なのだ』」鮭の立場って一体…。

2003.04.13

 『アメリカの落日』 日下公人 清谷信一

 国連における日本の立場ってどうなの?この本の額面通り受け取ってよいの?判断できない。

2003.04.06

 『傭兵の誇り』 高部正樹

 職業傭兵の方が書かれた本。競さんの日記で紹介されていたので。報酬は安く、あるいは全くないというのが衝撃。命は安い!
2003.04.04

 『空想科学映画読本』 柳田理科雄

 このシリーズ好き。ターミネーター2の敵ロボットについて「分裂すればよいが、そうするとチビになってしまう」というのが一番笑えました。
2003.04.04

 『お笑い日本の防衛戦略』 テリー伊藤 青山繁晴

 日本においてテロの可能性は十分あるし、また核よりも生物化学兵器のほうが現実味があるそうです。ペルーの人質事件については既存の知識がいかに半端か思い知らされた感じ。
2003.04.02

 『月の影 影の海』〜『花胥の幽夢』 十二国記シリーズ 小野不由美

 感想として、尚隆がゼネテスっぽくてよい…と一言だけ書いておいたら貸してくれたヒロコさんに、それだけかいと突っ込まれました。

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