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2003年9月〜2004年5月

(上が新しいもの、下が古いものです)

『なんて素敵にジャパネスク』 2 『三国志英傑列伝』
『英傑たちの三国志』 『三国志英雄伝』
『秘本三国志』 上下 『なんて素敵にジャパネスク』 1
『正史 三国志英傑伝』 4 呉書 『オーデュボンの祈り』
『天の華・地の風』 9 『天の華・地の風』 1
『天の華・地の風』 4 『重力ピエロ』
北方三国志 9 『陽気なギャングが地球を回す』
北方三国志 2・4・8 『天の華・地の風』 8
『すぐ使えるフランス語』 『天の華・地の風』 7
北方三国志 7 『呉・三国志 長江燃ゆ』 7
北方三国志 10・11 『天の華・地の風』 3
『あらすじで読む日本の名著』 『社長を出せ!実録クレームとの死闘』
『65』 『葉っぱ』
デルフィニア戦記 1〜4 『キング牧師とマルコムX』
『暗い宿』 『三面記事で読むイタリア』
『緒方貞子-難民支援の現場から』 『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』
『知っておきたい!ランキング100年史』 『はてしない物語』
『生きる言葉-五木寛之のパワートーク』 『養老孟司の<逆さメガネ>』
暁の天使たちシリーズ 1〜4 『バカの壁』
『話を聞かない男、地図が読めない女』 『王女グリンダ』

 

読了日

タイトル 著者名 その本について一言

2004.05.16

 『なんて素敵にジャパネスク』 2 氷室冴子

 再読。昔読んだときはラストシーンに泣いたけど、今読んだら終盤の火の回る寺での瑠璃姫と吉野君のやり取りに泣きました。守り袋の中の髪とか吉野を思い出すくだりとかね。

2004.05.16

 『三国志英傑列伝』 伴野朗

 趙雲、陸遜、荀ケ、馬超の4人のエピソード集…というか、小説ですかね。
 陸遜に関する記述を読むとき、結構気になるのが容姿。この前に読んだ『正史 三国志英傑伝』に容姿に関する記述があったかどうか…。陸遜は自分を指して「書生」と言っているので、体育会系というよりは文科系の外見なのだろうかと想像するのが精一杯(ときどき見かける色白っていう描写は演義の話?)。が、この陸遜篇「社稷の臣」はその彼の容貌から始まります。
 「よく陽に焼けた裸身だった。黒光がしているようである。/よほど水練で鍛えこんだ躰であろう。」
 ブー!!(鼻血)筋骨逞しいってのもアリ!?
 そしてさらに外せないのが名前の話。陸遜はもともとは陸議という名前でした。でも少年時代のあるとき悪ふざけがすぎて、従祖父に、お前は出しゃばりだから遜と名乗って反省しろ!、とこっぴどく怒られました。そして陸議から陸遜に…おもしろいっ!おもしろいよっ!
 『呉・三国志』の夷陵を見ても、この著者の陸遜は、絶対の自信を持って孫権を動かし、強気で軍を指揮する冷静にしてイケイケの性格。鍛えられた体に、鋼の精神か…ん〜素敵っ!
 陸遜の容貌をイメージするとき、PS版三國志8の顔グラフィックの首から下に、逞しい体をつけるのもアリってことか…いや〜ビジュアルイメージができると、本読むときの面白さが格段にアップするんですよ。重要です、容姿。そして自分好みに越したことはありません(笑)。そういや北方三国志では外見どうだったかな…今度チェックしとこう。

2004.05.15

 『英傑たちの三国志』 伴野朗

 名のある人36名が紹介してあります。面白かったのは次の人たち。
 曹操…「説着曹操、曹操就到(曹操のことを言えば、曹操がすぐあらわれる)」…「噂をすれば影」の中国版だそう。千里眼や地獄耳といった民間伝承が曹操にはあるらしい。優れた情報収集能力がベースになってるんだろうけど、こういう言い方をすると俗っぽくて笑えます。
 甄皇后…彼女のエピソードがどうのというより、正史などでその扱いが良くても悪くてもイマイチ納得がいっていない筆者のコメントがおかしい。
 孫堅…私が書くのも今更だけど、董卓のからの懐柔案を蹴っ飛ばし、洛陽に一番乗りして名乗りをあげ、破竹の勢いで進軍するパパ。う〜何回読んでも格好いいなぁ。

2004.05.15

 『三国志英雄伝』 別巻その時歴史が動いた NHK取材班編

 前半は劉備、後半は孔明。他の人物名が極力抑えてあるって感じなので、内容的には初心者向けと思われます。紹介されていた孔明の子孫の村、諸葛鎮ってホントですか。

2004.05.12

 『秘本三国志』 上下 陳舜臣

 ネットで「おふくろに頭のあがらない孫策」の話を聞いて、読みたいと思ってた本。三国志関係を読むときは、大体において、好きな場面の含まれた巻しか読まないので、黄巾から読んだのは初めて。なので、知らない人ばっかりであせり、曹操が出てきたときはホッとしました。
 戦というより談合が続く感じです(でも呉は蚊帳の外・苦笑)。先の先まで見通す曹操が結構格好いいなぁと。ぼけたふりには完全に騙されました。でも笑ったのは、孫策が死んだ後、攻め込むところについて「どちらの紹を先にすべきか」と部下に尋ねた場面。袁紹と孫策の息子紹とをかけて「しゃれたつもりであった」…って何それ!(笑)
 孔明については、基本的に物腰は丁寧というイメージがあったので、目下の者に「あんた」と呼びかけてたのにはビビリました。でも敵兵の死骸を見て涙を流す兵卒が昔より増えた、ということから「人間はよくなりつつある」と信じていたという場面はちょっと重かったです。

2004.05.04

 『なんて素敵にジャパネスク』 1 氷室冴子

 再読。テンポがよくて、小ネタ満載で、今読んでも面白い。私的には瑠璃姫の口の悪さが一番おかしい。言い寄る公達に対する返事を女房に言伝て「おととい来やがれ、とお言い」とかね。山内直美の漫画も面白かったよなーと思い出してしまった。

2004.05.04

 『正史 三国志英傑伝』 4 呉書 陳寿著 裴松之註 『中国の思想』刊行委員会編訳

 呉の皆さんの巻です。この辺で一度元ネタをチェックしておかねばと思って読みました。別に笑いを求めて読んだわけではないけれど、孫権が病気の呂蒙を心配して、病室の壁に穴を開けて呂蒙の状態を見て一喜一憂する記述は吹きました。

2004.04.28

 『オーデュボンの祈り』 伊坂幸太郎

 ヒロコさんより。ミステリになるのかな。しゃべるカカシが可愛い。優午という名前の響きもよいと。

2004.04.27

 『天の華・地の風』 9 江森備

 再読。今日の風呂のお供はどれにしようかと、試しにページを捲ったら、冒頭の「傾いた都」のくだりに惹かれたのでこれに決定。特に思い入れのある巻ではなかったはずなんだけど、久し振りに読んだらすっごく面白かった。何が面白かったかと言われたら、何だろうな…嫌味なのか本気なのか魏延に酒を送る孔明とか、周家の墓で別の人のことを考える孔明につっこむ諸葛瑾とか、てっきり出番は無いだろうと諦めていた陸遜が登場したこととか(でも「陸遜はまるい頤に手をあてて」って…まるいんかい・汗)、全く余計なことを姜維に告げる魏延とか、意外と情けをかけてくれてるっぽい司馬懿とか。ラストのほうは汝秀よ間に合え、陳震がんばれとエールを送りながら読んでしまった。ところで姜維の「凄い、夜だった」に吹いたのは私だけではないと信じたい。

2004.04.26

 『天の華・地の風』 1 江森備

 再読。昨日読んだ4巻で、周瑜と毒薬の話が出ていたため、1巻が読みたくなりました。今更キャラがどうとか言う気はさらさらないんだけど、問題の画軸が孫堅のコレクションの中にあったというくだりにすごいウケてしまった…。そして私的にこの巻の一番の名文句は「君、よろしく諦めて、早々に死ね」…すぐ後の雪の場面と繫げればいいんだろうけど、こんな読み方しかできなくてすまぬ、友人よ。

2004.04.25

 『天の華・地の風』 4 江森備

 再読。この巻は「視力正常、筆を取る力あり。理想的な衰弱度。孔明は自分の目分量に自信を持った。」この文でしょう。初めて読んだときも吹いたし、今読んでも吹きます。このシリーズは、この辺の容赦の無さが気に入ったんだよね…。

2004.04.23

 『重力ピエロ』 伊坂幸太郎

 ヒロコさんより。ミステリ…になるのかな?でも印象に残るのは謎解きとは別のところです。最後のお父さんの「俺に似て…」のところはちょっと感動しました。

2004.04.15

 『三国志』 9 北方謙三

 荊州のゴタゴタの巻。呂蒙が見たかったんだけど、関羽の前にかすんでいたのが残念。曹操が孫策暗殺を思い出すところでは、妙に反応してしまった…。あと、感想じゃなくて単なる自分のメモなんだけど、陸遜が関羽に送った手紙の内容についてはさらりと書いてあるだけだった。おかしいなぁ、コテコテの手紙を前に、関羽がそれを吟味する場面があったのはこの本じゃなかったっけ?

2004.04.15

 『陽気なギャングが地球を回す』 伊坂幸太郎

 ヒロコさんより。サスペンス、とタイトルの横に書いてあったけど、軽い感じです。乱暴に要約すれば、銀行強盗グループが仕事の途中にトラブルに…という話。普段ネタばれに気を使わないのに今更だけど、××が実は裏切っていたのは気付きませんでした。最後の二重のひっかけは気持ちよかったです。

2004.04.12

 『三国志』 2・4・8 北方謙三

 すいません、ちゃんと読んだわけではなくて孫策と周瑜だけ…。
 2・4巻は孫策が周瑜と再会してから孫策が死ぬまで。3巻がとんでるのは、単に本屋になかったからです。赤壁の、周瑜と孔明が語るところで、周瑜自身が覇王になるのではなくて、この人に覇王になってもらいたいと思った…という感じで孫策が語られてたのが結構印象に残ってました。それもあって前から読みたいなと思っていた部分に着手。でも魏や蜀を飛ばして呉だけを追っかけたせいか、あんまり緩急がないかな…っていうか、急しかないです、策兄。「(孫策は)急ぎすぎる」という表現が何回か出てきたけど正にそんな感じ。でもいよいよ挙兵のとき、袁術の下にいたときのことを訊かれたことに対して、孫策が「(今こうして挙兵できたから)どうってことない」と答えたのが素敵でした。
 8巻は赤壁の後、周瑜が死ぬところまで。周瑜自身よりも、周瑜の死を知った曹操が語ってくれたって感じでした。ちなみに、曹操に対抗するという名目で、周瑜に留守番を命じられて不満げな陸遜がちょっとかわいかったです。

2004.04.11

 『天の華・地の風』 8 江森備

 再読。陸遜は一箇所だけ。孔明の妖術に関して、引き合いに出されていたのが石陣に閉じ込められたこと。いや別に陸遜を求めて読んだわけじゃないからいいけど。
 司馬懿との戦とそれに関する場面が多かったかな。全体的に淡々と進んでいきました。孔明の謀反を疑う皇帝に対して、貂せんがガツンと言う場面がよいです。

2004.04.10

 『すぐ使えるフランス語』 丸山圭三郎

 会社の人より。フランス語の初級日常会話とフランスにまつわるトピック。会話はパスして、トピックのみ読む。
 文化の違い、みたいなのもちょこちょこ取り上げられていて、面白いなぁと思ったのが「招待を受けたら、10分くらい遅れていくのがマナー」とあったこと。これ、どういう理由からなんだろうね。

2004.04.01

 『天の華・地の風』 7 江森備

 再読。9巻ある中で、内容を全く思い出せなかったのが7巻と8巻。というわけでとりあえず7巻を読み返し。
 陸遜は名前だけ登場。魏の曹休を誘い出し、散々に打ち破った陸遜…の策を一人見破っていた司馬懿を指して、恐ろしい相手と評す孔明。陸遜は仲達の引き立て役かい。
 何が面白いかって、孔明の気分というか思考回路。魏延に、「丞相は自分自身のことしか考えていない」と言われた矢先にやっぱり自分のことしか考えてなくて、「これだから厭われるのだ」と反省する辺りが可笑しい。ちなみに孔明から送られた果物の味を、「丞相のなみならぬご恩愛の味がいたしました」と答えた姜維にも笑ってしまった…本当に嬉しくなさそうで。

2004.03.28

 『三国志』 7 北方謙三

 赤壁の巻。夷陵で勝機が来るのを待つ陸遜に対して、赤壁で風を待つ周瑜が引き合いに出されていたため興味が沸いたのが理由。単に周瑜の下で赤壁に参戦していた若い陸遜を見たかったというのもあるけど。ちょこまか働いたり、小賢しく進言したり、実はメモ魔だったりする陸遜が可愛い(笑)。でもこの巻で印象に残ったのは、やはり周瑜。病をおして兜をかぶり、剣を抜き放つ姿は格好良かった。
 あと曹操が逃げ切るかどうかのところ…追う方も追われる方も馬をつぶさずにゆっくりと且つ急いで、という場面がドキドキでした。

2004.03.27

 『呉・三国志 長江燃ゆ』 7 伴野朗

 夷陵の巻。陸遜が自信満々だった。刺客として出てくる三超人が色んな意味で凄かった。

2004.03.27

 『三国志』 10・11 北方謙三

 関羽が死んだ直後から始まる10巻と、夷陵の11巻。プレッシャーに耐えつつ、いつ来るかも分からない勝機をひたすら待ち続ける精神力…憔悴しながらも策を見出していく陸遜が素敵!夷陵の陸遜については、半年以上の膠着の後に遂にチャンスを掴んでそれをものにしたってところが私は好きなのです。でも孔明にやることも弱点も看破されてたのは陸遜ファンとしてちょっと悔しかった(笑)。
 その一方で。張飛の死に様はこんなのもアリかとちょっと意外な感じ。あと馬超が袁りんを「りんりん」と呼んだところは微笑ましすぎて吹きました。

2004.03.27

 『天の華・地の風』 3 江森備

 再読。9巻ある中で、一番好きなのが3巻と4巻。章ごとに、現在→それにまつわる過去、という順になってるので、何回読んでも混乱するけど。
 夷陵の巻…だけど、陸遜は名前だけ。これについては孔明が面白い。この巻に限ったことじゃないんだけど、自信を持って使った策謀が思わぬところで失敗して、取り繕うとしてそれも失敗する辺りとかね…。

2004.03.06

 『あらすじで読む日本の名著』 小川義男編

 ヒロコさんより。タイトル通りです。私はいわゆる日本の名作は全然読んだことがありません。編者も冒頭で書いている通り、まさにそういう人向けの入門書って感じです。何となく堅苦しいのを想像していたのですが、恋愛有り感動有り人を獣に変える魔女有りで結構バラエティに富んでいました。でも痴情のもつれが一番多かったかな。一言で恋愛と言っても、応援したくなるものから思わず引いてしまうものまで色々ありました。自分的に盛り上がったのは「不如帰(ほととぎす)」。武男、早く帰ってこいよ!

2004.01.17

 『社長を出せ!実録クレームとの死闘』 川田重雄

 本屋で平積みになっていて、タイトルを見た瞬間、「これは読まねば!」と思い、一気に立ち読みしました。内容はタイトル通りです。著者と、クレームを言うお客さんとのやり取りが恐ろしくリアルで、もし自分が遭遇したらと思うとぞっとする話がいっぱい詰まってました。著者による、クレームを言う人の分類のくだりでは、それぞれのタイプにあてはまるお客さんの顔が浮かんできました。私はここまでしなくていいのですが、実際にヘビークレームに対応してる方々、本当にお疲れ様です…。

2004.01.17

 『65 27歳の決意・92歳の情熱』 乙武洋匡 日野原重明

 65歳の年齢差のある二人の対談です。テーマは、どう生き、どう死ぬかって感じかな。二人とも生きることにとってもポジティブ。そういう姿勢は見ててすごく気持ちがいい。対談の中で、自分の努力で身に付くものもあるけど、新しい視点は人との関わりによって身に付く…といった言葉はなるほどと思いました。乙武くんは自分の人生をキャンパスに例えて、まだ一筆目を入れていないと話しています。共感できます…もうちょっとネガティブな意味でですが。さ〜私はどうしようかな〜。

2004.01.05

 『葉っぱ』 銀色夏生

 ヒロコさんより。葉っぱの写真入りの詩集です。サッと読めるとも言えるし、じっくり読めるとも言える…詩集ってそんなものかな。やっぱりたまに、「おっ」と思うフレーズはありますね。「(略)/それにしてもこの思いが/行きつくのは/いつも同じ場所/知りえぬ答え/(略)」あ〜こんな風に思考がくるくる回ることあるな〜。「(略)/否定的にみればすべてが否定できる。/(略)」うっ、その通り。逆もまた在り得るんだけどね。

2004.01.02

 デルフィニア戦記 1〜4 茅田砂胡

 ヒロコさんより。前回読んでいなかった部分を読みました。ありきたりな表現だけど、ハラハラドキドキで、途中、本にしおりを挟むのがとっても辛かったです。
 妾腹の生まれであるウォルが、一度は王座についたものの国を追われ、父の敵を討つついでに王冠を取り戻すまでの話です。でもそもそもの大前提であるウォルの出自からして疑われ、ウォルが何者であるか、それぞれの思惑で情報が小出しになるため状況が二転三転します。そうした中でウォルはどうするのか、リィはどうするのか、最後まで盛り上がりました。うん、面白かった。

2003.11.29

 『キング牧師とマルコムX』 上坂昇

 う〜む、黒人運動の二人の指導者の比較紹介なんだけど、テーマが大きすぎてコメントしにくいなぁ。キングの「アメリカ黒人がアメリカから学ぶべきは、抑圧者は自発的には被抑圧者に自由を渡さないので、悪しき制度の改革に立ち上がらなければならない」という言葉が印象に残りました。

2003.11.22

 『暗い宿』 有栖川有栖

 ヒロコさんより。ミステリです。作家アリスのほうの短編集です。最後の「201号室の災厄」が一番面白かったかな。ここまでひっぱっといて、火村よ、それはないだろう、みたいな。

2003.11.08

 『三面記事で読むイタリア』 内田洋子 シルヴィオ=ピエールサンティ

 イタリアの世相を表すようなトピックとその解説です。イタリアの女性やパラサイトシングルの生き方、冠婚葬祭ビジネス、ワイン、サッカー、フェラーリと多くの項目があります。
 一番面白かったのはユーロへの切り替え時のパニックの話でした。2002年の1月1日からのユーロへの切り替えとなりましたが、2月末まではこれまでのリラも通用することになっていたそうです。ですが年明けと同時にイタリア国民が一斉にキャッシュディスペンサーに押し掛けたため、1〜2時間で国内の全てのキャッシュディスペンサーが空になったとか。しかも実質的な仕事始めである1月7日の月曜日には、賃上げの要求のため9割の銀行がストに突入。…どんな状況ですかコレは。また預金者が130万リラ(7万8千円)を入金したところ、誤って130万ユーロ(1億5千万円)
で入金されてしまい、気付いた銀行が30分後に訂正する、ということもあったらしいです。
 読んでイタリアに行きたくなる、とかではない感じですが、かなり楽しめました。

2003.10.31  『緒方貞子-難民支援の現場から』 東野真

 緒方貞子さんの、UNHCR(国連難民高等弁務官)としての活動を中心としたレポートです。
 私自身の旗色を明確にしていなのを、突きつけられた感じがします。これを読んだ上で、では自分はどうしたらいいか、例えば海外派兵に賛成なのか反対なのか、どちらかの立場をとるならそれはなぜか、それは常にそうなのか、場合によっては違うのか、そういったことに関して自分で結論を出せていないのがもどかしい。
 読んでいて、一番ショックだったのは、「UNHCRが進めていたティモール難民の帰還活動が、独立に反対する民兵達の攻撃目標と」なり、職員が惨殺されたという事件。「民兵の率いる群集が西ティモールのアタンブア事務所を包囲、三人の職員は刃物で何度も斬りつけられ、遺体は通りに引きずり出されて焼かれた」そうです。亡くなった職員が殺される直前に友人に送ったというEメールがこちら。「民兵達がここへ向かっている。この事務所をたたきつぶすつもりだ。彼らは何も考えずに行動するし、蚊を殺すように簡単に人を殺す。…僕たちは敵を待っている。武器もなく、ただ座って、攻撃の波に襲われるのを、えじきになるのを待っている」

2003.10.26  『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』 J.K.ローリング

 再読。1作目、2作目、コレと読んだけど、コレが一番面白い。今回はハリーの両親の世代の人が絡んできます。おばさんに両親のことを侮辱されて、自分を抑えようとしてもついに怒りを爆発させるところから始まって、ハリーの両親に対する強い感情が見えて、随所でぐっときます。
 印象に残ったのは、まね妖怪や吸魂鬼に関するルーピン先生の教授。まね妖怪は、本人が一番怖いと思うものに変身します。それをおかしい姿に変えてやることで対処します。また、吸魂鬼は希望や喜びを吸い取ってしまう生物です。これに対抗できるのは守護霊だけで、その守護霊を出現させるためには自分自身の一番幸せだった思い出に集中することが必要です。と、そこで思うわけです、まね妖怪が自分の目の前に現れたら何に化けるか、吸魂鬼を追い払うだけの守護霊を作り出す幸せな思い出は何かって。
 そんなこんなで一気に読めますが、ブラックがハリーやロンに危害を加えようとする部分は、その理由がちょっと分かりにくいのだけ気になりました。それにしても、読みながら映画で見たキャストが頭に浮かんできました。特にスネイプ先生…3作目、早く映画見たいです。

2003.10.23

 『知っておきたい!ランキング100年史-流行、記録の100テーマベスト10』 100年ランキング選定委員会

 タイトル通りの内容で、「乗用車累計販売台数 1位カローラ 706万6993台/2位 サニー…」「高視聴率番組総合 1位 第14回NHK紅白歌合戦(63年12月31日) 81.4% 2位 オリンピック東京大会…」てな感じで紹介してあります。この本は2001年9月10日に出版されているので、項目によってはデータが多少古いのが難点か。でも面白いですよ。ちょっとピックアップ…シングルベストセラー。「1位 およげ!たいやきくん 450万枚/2位 おんなのみち 325万枚/3位 だんご3兄弟 290万枚/4位 君がいるだけで 289万枚/5位 TSUNAMI 288万枚(以下、6位SAY YES/7位Tomorrow never knows/8位ラブ・ストーリーは突然に/9位LOVE LOVE LOVE/10位YAH YAH YAH)」…あ〜何か流行ったね〜って顔ぶれですね。だんごも流行ったよね〜アレは歌詞にも映像にも笑わせてもらいました。でも1位のおよげ!たいやきくんがそんなに売れてたとは初耳。
 一方で、本当かいと聞きたくなる結果も。74年のベストセラー書籍の1位はノストラダムスの大予言。本当?(笑)疑いたくなるのは私が予言の類を信じないからか。
 ちなみにゲームでは、マリオとポケモンが上位の殆どを占めていました。国内販売数でかつ99年のデータだったので引用はしませんが、まぁそんなものなのかな。
 こういうのは自分の中でのランキングと比較するのが楽しい。

2003.10.12

 『はてしない物語』 ミヒャエル=エンデ

 いや、実は読んだことがなくて。たまたま映画のテーマソングを耳にしたら、何となく読もうかなという気になったので手に取りました。
 前半は冒険小説っぽく読めたのですが、後半が難しい。難しいというのは、望みを叶える度に記憶を無くすということは、イマイチどういう例えなのかピンとこないということ。自分自身や、自分に属するもの(家族とか)を削って目的のものを手に入れても、最後は何にも残らないってことかな?
 ちなみに、始めのほうで、先を急ぐ鬼火が、同行を申し出る豆小人に向かって「かたつむりに乗っているような方を待っているわけにはいきません」と言ったところ、豆小人が気を悪くしながら「これは競争用かたつむりでございますよ」と言い返したところに爆笑しました。
 …これだけか…もっとマシな感想は書けないのか、自分。

2003.10.10  『生きる言葉‐五木寛之のパワートーク』 五木寛之

 同じくひかるさんのコメントが良さげな感じだったので。著者と様々な人との対談集です。会話会話で登場する人を知っていればまた違うのかもしれないけど、なかなか難解でした。その中で比較的とっつきやすかったのは、養老孟司とピーコ。アウシュヴィッツで生き延びることのできた人は、絶望的な状況にあっても水溜りが綺麗だとかちょっとしたことに感動できる人だった、というエピソードが印象に残りました。

2003.10.05

 『養老孟司の<逆さメガネ>』 養老孟司

 ひかるさんのコメントが良さげな感じだったので。「現実とは何か。それは皆さんの『行動に影響を与えるもの』」というこの「現実」というものに対する定義が面白かったです。本を読む理由として、自分に対していい影響を与えてくれる「現実」が欲しいからっていう部分があります。ゲームをするのも同じ理由。
 知らないもの、こちらの行動に全く影響しないものは無いのと一緒、というくだりは全くその通り、と思いつつ。昔、何かの本で、誰もいない森で木が倒れたとき、「それでも木は音を立てたのだ」、という人と、「いや、立てなかった」という人と別れて論争する場面があったと思うんだけど、コレ何の本だっけ…(ドラゴンランス戦記だったかなぁ?)。

2003.10.05

 『暁の天使たち』〜『二人の眠り姫』 暁の天使たち1〜4巻 茅田砂胡

 ヒロコさんより。SF学園モノって感じでしょうか。ジャスミンがパスワードを解くくだりが一番盛り上がったかな。それにしても美男美女が多いねー。

2003.09.27  『バカの壁』 養老孟司

 ひかるさんのコメントが良さげな感じだったので。読みやすくてサクッといけました。
 内容は「わかる」とはどういうことか、ということの説明かな。人間の大抵の行動は、出力y=係数a×入力xで説明できるそう。この係数が個人の好みになります。係数はゼロもあればマイナスも有り。同じ入力(情報)があっても、個々の反応が違うのはこのため。そして「知るということは、自分がガラッと変わること」。筆者は例として、ガンの告知をされてあと半年の命とわかったら、桜が違ってみえるだろう、というコメントを挙げています。まとめると、「物を考えるということは決して楽なことじゃない」けれども「知ることによって世界の見方が変わる」ので、それでも「知的労働」を行わなくてはならない…って感じかな。共感できたのがこの部分。自分の考えを放棄して、思考を停止させるのは楽だけど、そうじゃなくて悩んで判断をし続けるしかないんだよね…。
 ちなみに読みながら、筆者が言いたいことを言うには、この本は薄すぎるんじゃないか?という感じがありました。

2003.09.13

 『話を聞かない男、地図が読めない女‐男脳・女脳が「謎」を解く』 アラン=ビーズ バーバラ=ビーズ

 会社の人より。「男はテレビのリモコンを独占して、コマーシャルになるとすぐチャンネルを変えたがるが、女は平気でそのまま見続ける」…脳の違いからの男女の違いを、始終こんな感じで面白おかしく書いてあります。一時期流行ってましたよね。確かに面白いし、読みやすいのもポイント高し。ちなみに特に笑ったところを挙げると。
 女は「車のガソリン切れを知らせる赤ランプが点滅していても気付かないが、そのくせ暗い部屋の片すみに汚れた靴下が転がっていたら50メートル先からでもわかる」。
 「どうしてモーゼは40年も荒野をさまよいつづけたのか?/人に道を聞かなかったから」(道に迷ったとき、女性は人に道を尋ねるのに対し、男性は自分の過ちを認められないのでそれができない、という内容に関するジョーク)。
 「ロダンが女の彫刻を作ったなら、タイトルは『しゃべる人』になっただろう」。
 また、「知覚の違い」という章の「男の子はモノが好き、女の子はヒトが好き」という言葉では、「男は火災(住宅)や自動車といった損害保険に興味のある人が多くて、女は入院や死亡といった生命保険に興味のある人が多い」という、会社で聞いた冗談を思い出しました。

2003.09.12

 『王女グリンダ』 茅田砂胡

 ヒロコさんより。男の魂に女の体っていうリィと、男で女装しているシェラは対比だったんですね(すいません、気付きませんでした)。デルフィニアの元ネタ集って感じで、まぁこんなもんかなと。ウォルの出番が意外と少なかった…。

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