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 書名一覧 

 『ドル崩壊!』  『FX革命!』
 『本当にヤバイ!中国経済』  『本当はヤバイ!韓国経済』
 『AURA〜魔竜院光牙最後の戦い〜』  『オタク・イン・USA』
 『煌夜祭』  『勝率80%の逆張りシステムトレード術』
 『神様のパズル』  『クライマーズ・ハイ』
 『E.G.コンバット』  『陰陽ノ京』
 『されど罪人は竜と踊る』  『マリア様がみてる』

 

 

 
  『ドル崩壊!』 三橋貴明 渡辺哲也監修 彩図社 2008
 
 前半はサブプライムローンの原因と影響、後半はドルに関わる世界経済についてといった感じ。

 サブプライムローンの問題点と、CDSについてはかろうじて追いかけたが、途中で挫折。(2009.02.28)

 

 『FX革命!』 南緒 扶桑社 2008

 
 FXによるトレードで、13ヶ月の間に500万を4億8000万にした著者のFX指南書。

 詳しい方法は袋とじであるためここでは紹介しないが、順張りトレードのエントリーの方法が記載してある。

 正直、考え方としては正しいと思うが、問題になるのはそれを行う人のほうで、そのチャンスが来るまで待ち続ける根気があるかどうかにかかってくるのではないだろうか。(2008.11.13)

 

 『本当にヤバイ!中国経済』 三橋貴明 彩図社 2008

 
 情けないが、下記と同じ。(2008.11.13)

 

 『本当はヤバイ!韓国経済』 三橋貴明 彩図社 2007

 
 凄まじい赤字を抱え、破綻を目前にしているとも言える韓国経済の説明。

 説明は詳しいと思うし、一つ一つのデータと出典が明らかにされているので信頼を持ってよいとは思うが、正直、頭になかなか入らなかった。タイトルの通りのことのみ結論として理解した。(2008.11.13)

 

 『AURA〜魔竜院光牙最後の戦い〜』 田中ロミオ ガガガ文庫 2008

 
 中学時代にオタクであることでいじめられていた主人公の少年は、高校での新たなスタートを切ろうと張り切っていた。しかし妄想の世界で生きるクラスメートの少女の面倒をみることになり、周囲から同類と思われることに苦痛を感じながら学校生活をこなしてゆく。その一方で少女は現実を拒み続け、周囲とのトラブルを引き起こし、主人公はそれに巻き込まれる。

 私自身、妄想とリアルを都合よく行ったり来たりしているけれど、主人公や少女に対して共感は特にない。ここで描かれている妄想の住人、あるいは片足を突っ込んだ人たちは、私の目から見てもやや極端に映るからかもしれない。(2008.11.13)

 

 『オタク・イン・USA』 パトリック・マシアス 太田出版 2006

 
 日本アニメがアメリカにどんな形で輸入されているか、またそれらに対するアメリカ人の反応についてのレポート。

 日本人が感じて面白いと思うものを、アメリカ人はどのように感じるのか、というのを純粋に読めるのかと思えば、輸入する段階で、アメリカ向けにリメイクされている場合が多いということが分かった。性的あるいは残酷で不適切と思われるシーンのカットは仕方ないとしても、原作に忠実でない吹き替え、キャラクターや場面の新規挿入はいかがなものかと思う。(2008.11.13)

 

 『煌夜祭』 多崎礼 中央公論新社 2006
 
 煌夜祭には「語り部」と呼ばれる者が夜を通して様々な話を人々に伝える。その日、廃墟と化した建物の側で、語り部二人が顔を会わせた。その語り部たちは多くの人の前で話を披露するのではなく、二人きりで順番に物語を話していく。やがてその物語は語り部たちが何者であるかを明らかにしてゆく。

 語り部パートと、お話パートが交互に描かれ、一人の話の内容を受けて、もう一人が関連する話を続けることで登場人物や背景が徐々につながってくる手法は見事。誰か一人の登場人物を追い続けるのではなく、場面場面で主人公が代わるためか、歴史を俯瞰する感じで登場人物に対して感情移入はせずに、だが興味を持って読めた。(2008.08.08)

 

 『勝率80%の逆張りシステムトレード術』 斉藤正章 日本実業出版社 2006

 
 下落している株を買う逆張りを、あるルールに従って機械的に行うことで勝率8割を維持するという方法の紹介。著者が過去23年間のデータをこの方法で検証したところ、一度も負けた年がなく、このやり方を身に付けてから年率300%のシステムトレーダーとなった。

 著者がサラリーマンで多忙であったことから株に時間を割くことができず、結果、知識として必要とされるチャートの見方やその他の値はすべて無視して、「こうやればよい」という仕組みだけを目指した方法であるだけに非常に分かりやすく、簡単に行える。
 また、基本は同じ方法であっても少しずつ条件を変えて検証されていることにより、この方法の何が重要で勝率に関わってくるかもよく分かる。

 だが、この方法の弱点は、著者もホームページで語っている通り、同じやり方をする人口が増えれば増えるほど上手くいきにくくなるということだ。例えば紹介されている方法ではある条件でスクリーニングを行い、翌朝の寄り付きで注文を出して株を買うことになる。しかし同じやり方をする人が多くいると、翌朝の寄り付きに注文が集中し、とんでもなく高値で掴むことになりかねない。それを承知で買うか、自己流にアレンジして指値注文にするかは読者の自由だが、そこでつまずくことにより勝率に影響する可能性が心配される。
 また、この勝率は条件に合致する全ての銘柄を使用した検証で現れたものである。しかし、著者も本文で触れている通り、資金面で限界がある場合は当然銘柄を絞らざるを得ない。勝率8割である全体の縮図となるように抽出する術はないため、任意で選んだ銘柄では検証のような勝率が現れる保障はない

 以上、この方法が正しいことは著者の成功から判断はできる、しかしそれを正しく実行するためには多少の難があることは否めない。
 ただ、その方法論にとどまらず資金管理や時間分散の必要性などが平易な言葉で説明されており、株のやり方そのものについて初心者である私には学ぶべきものが非常に多かった。(2008.08.08)

 

 『神様のパズル』 機本伸司 ハルキ文庫 2006

 
 卒業を控え、就職活動に奔走する大学生が主人公。成績が芳しくなく、物理のゼミでの単位を取れるかどうかが非常に重要な状態で、教師からある学生の面倒を見てほしいとの依頼を受ける。初めは自分の評価に色をつけてもらうことを目的としていたが、その学生である天才少女とゼミの問題に取り組むうちに、自分自身の存在に関わる疑問について考えるようになる。ゼミのテーマは「宇宙を作ることは可能か」。

 物理の学生の話であるため、物理の話が非常に多い。登場人物たちが何を話しているのがさっぱり分からない場面は多々あったが、それでもコンピュータを使っての宇宙創生シミュレーションは結果がどうなるのか読んでいてわくわくした。(2008.08.06)

 

 『クライマーズ・ハイ』 横山秀夫 文春文庫 2006

 
 地方新聞社に勤める主人公は、航空機の墜落事故に関する記事の統括を命じられる。
  しかし、事故の大きさにも関わらず本来航路ではないところでたまたま自分の県に落ちたという事情と、上層部の人間の保身やメンツに左右されて思うような紙面づくりが進まない。

 前代未聞の大事故を、全社をあげて取り組もう、という姿勢ではまったくなく、それぞれがやりたい仕事と命じられた気の進まない仕事の狭間でぶつかったりやり過ごしたりする様が妙にリアルな印象を受けた。
 上の人の、平たく言えば意地悪で部下の仕事に報いてやれない主人公の苛立ちが心に残っている。(2008.08.06)

 

 『E.G.コンバット』 1・2 原作/☆よしみる 著/秋山瑞人 電撃文庫 1998 

 
 突如現れた女性を標的とする生命体のために、女性は月へ、男性は地球で暮らすようになった世界。その生命体との戦いの中、主人公である天才少女パイロットは同僚のねたみから左遷され、月で教官となるよう任命される。
 月でもっとも出来の悪いと言われているチームに配属された主人公は、前線での自らの経験を教え、教えられた生徒はチームとして目覚しい成長をする。

 戦闘能力的に天才的ではあっても、心情的には小心なところもある主人公があたふたする様がイキイキとしており、ストーリーのテンポも良くて一気に読める。散々馬鹿にされていたチームが、訓練の成果を遂に発揮するところはスカッとするくらい。しんみりする場面もあるが、暗さが引きずられずに全体的に爽快感があって面白かった。(2008.08.06)

 

 『陰陽ノ京』 渡瀬草一郎 電撃文庫 2001

 
 京都の安部清明の、関係者の青年による怨霊退治。
 寒々とした空間に響く呪いの釘を打つ音の描写が、目に映るようで印象に残った。(2008.08.06)

 

 『されど罪人は竜と踊る』 浅井ラボ 角川スニーカー文庫 2006

 
 ドラゴン退治から始まる、二人の仲の悪い男の物語。
 ファンタジーなのだろうけど、魔法の描写が非常に物理化学的。知識がないので理屈として正しいのかどうか私は分からないが、魔法が一つの論理として成り立っている世界観が興味深かった。(2008.08.06)

 

 『マリア様がみてる』 今野緒雪 コバルト文庫 1998

 
 カトリック系お嬢様学校、高校で言えば一年生の裕巳は、憧れの二年生祥子にタイを直してもらうという幸運に恵まれる。後日再会した祥子は、自らの都合から学校の伝統である姉妹の儀式を行うことを裕巳に提案する。
 しかし裕巳は自分が平凡な一生徒であることを自覚しており、また祥子が演劇でのシンデレラの役を降りたいがための手段としての申し出をしていることを知って断る。
 だがその場にいた上級生の計らいで、劇の当日まで姉妹の儀式を行えば祥子は役を降りてもよいという条件がつけられる。
 こうして劇当日まで様々なことを通じて祥子と時間をともにした裕巳は、完璧なお嬢様に見えた祥子にも歳相応の少女らしい感情があることを知っていく。

 再読。昔友人に借りて読んだのだけれど、10年くらい経った今になって全く別の人からも回ってきた。不思議な縁だ…。遠い存在だったはずの祥子さまが怒ったり傷ついたりする度にだんだん可愛らしく見えてくるのがいいね。
 彼女らだけでなくて沢山のお嬢様が出てくるのだけど、出番が多い割にはイマイチキャラがつかめないのが志摩子さん。スタンダードなお嬢様を想像しておけばよいのだろうか。(2008.04.28)

   

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